国内でも需要と供給は
一致している

 経済学の超基本は、価格が需要と供給の一致するところに決まる、ということだ。上記によれば、日本国内の需要や供給と関係なくガソリン価格が決まっているように見えるが、実際はどうなのだろうか。

 実は、日本国内の需要と供給は一致していると考えることもできる。それは、需要の分しか供給されないからだ。ガソリンスタンドはガソリンの売値を決め、「この価格で買いたい人には売ります」と言っている。つまり、需要に合わせて供給する、というわけだ。

 野菜などは保存が利かないから、需要が少なければ供給者は「収穫した野菜を売り切ることができる値段」まで値段を下げても売ろうとする場合もあるが、ガソリンは保存が利くので、採算割れの価格で無理をして売る必要はない。

 強いて言えば、需要が多いときには売り手が強気になって「適正利潤」を少し大きめに上乗せするかもしれないが、その程度の話であろう。例外としては、ライバル同士が客を奪い合って値下げ合戦を繰り広げるような場合が考えられるが、その話は別の機会に。

 本稿は、以上である。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織などとは関係がない。また、わかりやすさを優先しているので、細部は必ずしも厳密ではない。