保険ラボ足立哲真

36歳でTOT終身会員となった
R&C足立哲真氏の法人攻略法

 京都市に本拠地を置く大型保険代理店グループ、ホロスホールディングス。同社を率いるのは、保険乗合代理店協会の会長を務め、ステージⅣのがんから奇跡の復活を遂げたことでも知られる、堀井計氏である。

 そのホロスは保険代理店事業だけでなく、傘下に教育研修事業を営むエルティヴィーを抱えている。保険募集人に対するマーケティング手法などの研修やセミナーを行っている会社だが、人気セミナーの一つに「ホケンブリア神殿」なるものがある。これは、保険営業のレジェンドを呼び、堀井氏が舌鋒鋭い質問を繰り出すことで、その営業手法を解き明かしていくというものだ。

 今回、10月に登壇したのは、保険代理店R&Cの代表を務める足立哲真氏。若干36歳ながら、国際的な保険プロフェッショナル組織であるMDRTの最上位メンバー、TOT(Top of the Table)の終身会員だ。2010年度に最年少で入会し、10年連続で入会基準を達成しているという人物である。

 MDRTの入会基準は複数あるが、初年度手数料で約1200万円を稼ぐ必要があり(年度によって異なる)、TOT基準はその6倍。相当高いハードルである。ちなみに、19年度にTOT基準を達成し、入会したのは世界で約2700人、そのうち日本人は約130人しかいないという。日本には保険の募集人資格を持つ人が約125万人いることからすれば、その突出ぶりが分かるだろう。

 ましてや、100人以上の募集人を抱える代理店のマネジメントを行いながらの基準達成である。その足立氏が得意とするのが、法人マーケットだ。国税庁が19年2月に全額損金計上できる節税保険にメスを入れた、いわゆるバレンタインショック以降、急速に縮小したマーケットである。そうした中での足立氏の直近の挙績は以下の通りだ。

契約社数/初年度手数料/手数料単価
2019年度:20社/8173万円/408万円
2020年度:18社/8442万円/469万円

 全損型の定期保険に頼っていたのでは、達成できない数字だろう。では、足立氏はどのような手法でこうした数字を達成しているのか。大学時代から鍛え上げたテレアポの手法に加え、法人開拓の手段である税理士などの会計事務所との提携など、堀井氏と足立氏の対談を通してひも解いていこう。