この分野は事業内容が多岐にわたっているため、すべての企業、ブランドを同じ業種として比較することが少し強引とも捉えられるかもしれない。実際に、消費者からの評価は各社によって特徴が表れている。

 SDGsのゴール別評価を見ると、花王は「ゴール3:すべての人に健康と福祉を」で210社中で9位(12.5%)、「ゴール12:作る責任、使う責任」は14位(8.2%)、「ゴール6:安全な水とトイレを世界中に」が5位(7.5%)と評価が高い。「ゴール14:海の豊かさを守ろう」では2位(4.7%)にランクインしている。つまり、消費者の安全・安心な生活面での視点において高い評価が得られている。

 一方、ブリヂストンは、「ゴール9:産業と技術革新の基盤をつくろう」が17位(11.6%)、「ゴール12:作る責任、使う責任」では全業種で2位(10.3%)と、製造技術面での評価が高くなっている(※2)。

※2 「SDGsのゴール別評価」については、SDGsで設定されている17のゴールそれぞれについて、「各社が取り組んでいると思うもの」を選んでもらった(複数回答可)。本記事の表には記していない。

 ブランド総合研究所の田中章雄社長は、「花王は、独自のESG(環境・社会・企業統治)戦略に基づいて、サステナビリティの取り組みを強化している。微小プラスチックのマイクロビーズを天然由来の代替材料に変更するなど、海洋プラスチックごみ問題への対策が高い評価につながっている」としている。

 ユニ・チャームに関しては、「女性が活躍している」で4位(12.6%)と高いほか、「ゴール3:すべての人に健康と福祉を」は9.9%で、この業界グループでは1位(全体では16位)と評価が高い。

「ジェンダー平等」で
ワコールがダントツ1位

 これら3社以外で、SDGsのゴール別において特色が表れている企業を見てみよう。TOTOは「ゴール6:安全な水とトイレを世界中に」において1位(17.7%)を獲得しており、LIXILが2位(13.2%)と高い評価が集まった。

「ゴール5:ジェンダー平等を実現しよう」では、ワコールが全業種を通して1位(12.0%)、ミズノが2位(8.0%)であった。