ガソリン価格、高騰からの「突然暴落」もあり得る理由ガソリン価格の高騰が止まらない(写真はイメージです) Photo:PIXTA

ガソリン価格が高騰している。しかし、産油国同士やガソリンスタンド同士の競争により、価格が暴落する可能性も決してないとはいえない。さまざまな観点からガソリン価格下落の可能性を検証してみよう。(経済評論家 塚崎公義)

カルテルは崩れやすい

 ガソリン価格が高騰している主因は、原油価格が高騰していることにある。その一因は、産油国のカルテルが機能していることだ。産油国が原油の需給を引き締めて価格を高止まりさせるために、協調減産をしているのだ。

 しかし、協調減産は維持が難しいということが知られている。各産油国にとっては、他の産油国が減産を続けていて原油価格が高止まりしているときこそ、約束を破って増産するインセンティブが大きいからである。

「囚人のジレンマ」という言葉がある。下の図のような状況のことだ。ここでは、「相手が約束を守ったとしても破ったとしても、自分は約束を破ったほうが得だ」ということをお互いが知っている場合、お互いに約束を破ることになり、お互いがひどい目に遭ってしまう。

囚人のジレンマ状況