力強く最高値更新を続けるなど、世界の株式市場の本丸、米国株はやはり強さが目立つ。特集『今仕込みたい「強い株」』(全15回)の#7では、そんな現状を踏まえ、この先も株高が期待できる企業をプロが厳選。「半導体」「大型株」「高配当」に関連する米国市場上場の24銘柄をリストアップした。(ダイヤモンド編集部 竹田幸平)
「業績相場」に移行する中で
米国株も二極化が加速へ
「米株式市場で主要指数が史上最高値を更新しました」。こんなニュースを聞くことは、もはや珍しくもない。
何しろ、米国株は新型コロナウイルスの感染拡大が懸念された2020年2~3月こそ一時的に大きく落ち込んだものの、その後は1年もたたずにコロナ禍前に付けていた最高値水準を回復。大規模な金融緩和や財政出動、ワクチン接種の進展などを手掛かりとして、株価の上昇局面が続いている。
コロナ禍での株高に、相場過熱への警戒感がくすぶり続けてきたが、上図の下の通り企業収益は堅調。株価は常に、企業収益の先行きを予測しながら形成されるが、米企業が株式市場の期待に沿うだけの業績を上げているからこそ、今期(21年12月期)の増益率予想は上振れを続けてきた。
ただし、今後は日本株同様、米国株も銘柄によって二極化が加速するだろう。FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策が利上げを模索する出口戦略に移る中で、市場サイクルが「金融相場」から「業績相場」にシフトしているからだ。
従来は緩和マネーで実力以上に押し上げられていた銘柄も、業績の良しあしで選別されていくことになる。しかもこの先、市場の目線は徐々に22年へと向かうが、こちらは今期予想に反して下落傾向であり、一段と選別色が強まっていくことが想定される。
そこで次ページでは、今後の米国株投資を考える上で有望そうな「半導体」「大型株」「高配当」のテーマ別にプロが銘柄を厳選。楽天証券経済研究所の今中能夫チーフアナリストが半導体6銘柄、大和証券の壁谷洋和チーフグローバルストラテジストが大型株中心に8銘柄、モトリーフール・ジャパンの加賀章弘ジャパン・ヘッドに配当関連10銘柄を選び出してもらった。
計24銘柄について、それぞれ米投資情報会社モトリーフールによる今期および来期のEPS(1株当たり利益)予想や予想PER(株価収益率)、時価総額などのデータを掲載。さらに、各氏が注目する理由をコメントしてもらった。米テスラやGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム、マイクロソフト)の株は買えるのか?投資時に留意したい「時間軸」の解説と併せ、一挙に明らかにしていこう。