インフレ率の上昇については、それが持続するかどうかが大きな疑問だ。大きな問題は、その答えが早くても来年の初めにならないとはっきりしないということだ。米労働省が発表した10月の消費者物価指数(CPI)は9月から0.9%上昇し、前年同月比で6.2%上昇となった。伸びの一部は燃料費の高騰によるものだが、インフレ動向をより的確にとらえるために用いられる食料品とエネルギー品目を除くいわゆるコアのインフレ率は、前年同月比で4.6%上昇した。コア指数の上昇率は1991年以降で最大となった。今となっては、統計が示した内容はサプライズのうちに入らない。世界的な半導体不足、サプライチェーン(供給網)の制約、トラックドライバーの採用難などは、耳慣れたニュースだ。初夏には、これらの制約が今頃までに一部緩和されると期待されていたが、そうなっていないことは明らかだ。