レビュー
以前、要約者が電車に乗っていたときのこと、かわいい猫のイラストの書籍広告が目に入った。「パフェ」の文字を見て、「パフェ好きの猫のマンガかな」と何気なく思っていた。それから少し経ったころ、ビジネスパーソンの間でも人気で、シリーズ累計30万部を突破している本だと知った。SNSでも話題になっているようだ。調べてみると、本の主題はパフェでも猫でもなく、SNSや人間関係、職場の悩みといった「日常のモヤモヤ」であることがわかった。
本書『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ。』は、Twitterで累計50万以上リツイートされて話題となったマンガ「パフェねこシリーズ」をもとに、日常のさまざまな悩みに対して「どう考えたら楽になるか」のヒントをくれる、やさしさに溢れた一冊だ。ひとつのトピックに対して「4コママンガ+文章」という構成で、どんな人でもすんなりと入り込める。一見のほほんとしているパフェねこだが、他の猫に意地悪されたりひっそり孤独に悩んだりする姿には思わず共感してしまう。実際、各方面にファンが多く、「メンタル本大賞2021」では大賞に選ばれた。
世界を見渡すとさまざまな課題があるが、私たちの脳内は身近な悩みでいっぱいだ。嫌なことを引きずってしまう、無理なお願いを断れない、SNSの幸せ投稿に嫉妬してしまう……そんな方はぜひ本書を一読いただきたい。悩みながらも自分らしい生き方を探るパフェねこに、「いいね!」を押したくなるはずだ。(矢羽野晶子)