雇用のしくみにも、これまでのような、ジョブローテーションで異動を重ねながら経験を積む「メンバーシップ型」だけでなく、個々の職務内容を規定し個々の成果を評価する「ジョブ型」を取り入れようとする動きがあります。

 これも、ひとつのことに集中することが得意で、新しい環境に慣れるのに時間がかかる内向的な性向の人にとっては、好ましい変化と言えると思います。

今こそ内向型の強みを活かすとき

 内向型を自覚する人は、これまでの人生で「損をしている」と思うことが多かったのではないでしょうか。

 現代では、「コミュ力」やフットワークの軽さが求められたり、わかりやすさやスピード感が重視されたりするなど、外向型に有利なところがあり、どうしても内向型の人は気持ちが萎縮しがちです。

 例えば、子どもの頃は、物おじしない人懐っこい子が大人たちにかわいがられ、学生時代は、ノリが良くて誰とでも気さくに話せる「おもしろい人」がクラスの人気者になりがち。就職活動では、自分の長所や自分の人脈を上手にアピールできる学生ばかりが注目を浴び、社会に出てからは、「コミュ力」が高く、フットワークが軽く積極的に動ける人が高い評価を受ける傾向がある……。よく考えると、どれもこれも、内向的な気質の人間には、ハードルが高いものばかりです。