イーロン・マスク氏とジェイミー・ダイモン氏は馬が合わないようだ。マスク氏はテスラをはじめとする自身の帝国を築き上げる中で、ダイモン氏が率いるJPモルガン・チェースについては長年冷遇し、他の米銀大手と取引してきた。これまでのテスラとJPモルガンのやり取りは往々にしていずれかが不満を抱え、しこりを残すことが多かった。内情に詳しい関係筋が明らかにした。関係筋によると、マスク、ダイモン両氏も関係修復に努めたものの、むしろ衝突して終わったという。JPモルガンはかなり前に、テスラとは取引しない方がましだとの結論に至った。時価総額で最大の米自動車メーカーと米銀最大手を真っ向から対立させるに至った双方の確執――。ひそかに繰り広げられていた冷戦の一幕は、JPモルガンが先週、テスラの提訴に踏み切ったことでオープンにされた。JPモルガンは2014年に手掛けた取引を巡り、テスラに1億6200万ドル(約185億円)の支払いを求めている。銀行は通常、大口顧客、ましてや潜在顧客と法廷の場で争うことはできる限り回避しようとする。手数料収入を逃しかねないとの懸念に加え、少しでも侮辱すれば顧客を失う恐れがあるためだ。