マンションが今までで一番
「お買い得」だった時期は?

 結果的にマンション価格が比較的高かった2007~08年に分譲された新築マンションは、2019年時点で9~11%値下がりしており、この時期が一番厳しかった時期になる。既に12~13年経過してのことなので、これを損したということはできない。

 通常、マンションの平均下落率は1年で2%と決まっている。1年1%程度なら、「買い」だったのだ。アベノミクスの始まる2013年が8年経過して13%上昇なので、最もお買い得の時期だったことになる。

立地はどこを選ぶべき?
値上がりしやすい場所とは

 値上がりしやすい(値下がりしにくい)場所は、中央区、港区、次いで台東区の順になる。千代田区・渋谷区を抑えてのトップ3入りには意外性がある。

 特に、築20年ほどたった物件の値上がり率が高く、この20年で大きく相場を上げてきたことを意味する。これは、都心3区(千代田区・中央区・港区)にオフィスの床面積が過半数ある時代に、世帯人数が少なくなる中で、都心アクセスが良いからこそ達成した地殻変動といえる。東京23区では葛飾区・江戸川区が最も低いが、それでも2%の値下がりで、都区部内であればどこでもいいから買っておけば良かったといえる状態にある。

 都下では、武蔵野市だけが上昇している。

 神奈川県では、みなとみらいを含む横浜市西区が1位で20.7%上昇、武蔵小杉駅を含む川崎市中原区が2位で9.4%上昇になる。

 埼玉県では、さいたま市大宮区と浦和区だけが値上がりしている。

 千葉県では、浦安市が久しぶりにプラスに転じた。新浦安の液状化のため資産価値を落としたものの、千葉県の中では最も優等生で買いやすいエリアである。