近畿圏でも「お得エリア」は
決まっている

 近畿圏では、最も良いのは京都市の中心部で、1位中京区、2位東山区、3位下京区となった。マンションを買うなら、東京並みの値上がり幅で、良い立地であれば全国から買いが入るため、新築の広告は全国紙の新聞を使うケースが多いほどだ。京都市南区、京都市右京区も値上がりしている。

 大阪府ではタワーマンションが建つところが強い。1位大阪市福島区13.0%、2位大阪市西区、3位大阪市北区となった。この他、大阪市天王寺区、大阪市浪速区、大阪市中央区も値上がりしている。

首都圏・近畿圏の
資産性の高い売り主は?

 ここまで、「いつ・どこに」という2つの法則を見てきた。これに加えて、値上がりしやすい売り主というのがある。それは、そのブランドが良い立地に建ってきた歴史でもあるし、そのブランドの中古での売りやすさでもある。それはネームバリューであり、購入する側の安心感を生み出してくれる。狙い撃ちの効果はかなりの確率で結果を出してくれている。

 その結果を表す売り主別値上がり率ランキングを見ると、首都圏の1位は日鉄興和不動産(図1)、近畿圏の1位は阪急阪神不動産(図2)になっている。

 日鉄興和不動産は、「リビオ」ブランドで都心部に多く供給しており、4年連続で値上がり率1位となっている。ブランドラインアップもハイグレードブランドの「グランリビオ」やコンパクトタイプの「リビオレゾン」は都心部の好立地に位置するため、資産性に配慮した開発を意識しているものと考えられる。

 阪急阪神不動産は、京阪神の中でも特に人気が高い阪急沿線や京都市内などを中心にマンションを供給している。マンションブランド「ジオ」は、関西の中で比較的高額なブランドとして認知されているが、さらに価格を上昇させたのは、沿線全体の開発による底上げや地域貢献などのブランドイメージと、購入者の期待を裏切らない品質によるもので、近畿圏の値上がり率3年連続1位となった。

 既にマンションは資産性を無視して買えない時代になっている。であれば、その法則性を理解した上で、賢い買い物をしたいものだ。その結果は資産形成という形で表れるのだから。詳細順位などは、住まいサーフィンで公開している。