中学2年から株ひと筋で、株式投資歴30年以上のベテラン専業投資家、かぶ1000が『賢明なる個人投資家への道』を著した。中学時代から体育のジャージ姿で地元の証券会社に通い詰め、中高年の投資家にかわいがられ、バブル紳士にお金儲けのイロハを教えてもらった。中学3年生で300万円、高校1年で1000万円、高校2年生で1500万円へと株式資産を増やす。会計系の専門学校卒業後、証券会社の就職の誘いを断って専業投資家の道へ。2011年に“億り人”になると、2015年に3億円、2019年に4億円を突破。アルバイト経験さえない根っからの個人投資家が、学校では絶対に教えてくれないお金の知識と増やし方を徹底指南する。
株式の信用の裏づけとは?
信用という視点で見直すと、株式投資の新たな魅力も見えてきます。
現金と株式を比べたら、ほとんどの人は現金のほうが信用できると考えるでしょう。
しかし、インフレによる現金価値の低下リスクを踏まえるなら、現金より株式のほうが信用度は高いと私は思っています。
株式には、企業のビジネスや資産といった信用の裏づけがあります。
たとえば、トヨタ自動車(7203)は、世界で1、2を争う自動車生産量を誇り、プリウスやミライといった画期的な製品を生み出す優れた技術力があります。
アップル(AAPL)のiPhoneは、世界で9億台以上使われています。世界の人口は約79億人ですから、約9人に1人がiPhoneユーザーということになります。
アマゾン・ドット・コム(AMZN)は、本国アメリカはもちろん日本でも5000万人以上が日常的に利用しています。
私は三菱地所(8802)に投資していますが、それは三菱地所が東京の超一等地である丸の内エリアに、「丸の内の大家さん」といわれるほど、多くの土地や建物を保有しているからです。
こうした企業の「稼ぐ力」「成長力」あるいは「資産」といった株式の信用を裏づけるものの価値が、一夜にしてゼロになることはまずありません。
仮に信用の裏づけが揺らぐような事態が起こったとしても、よほどのことがない限り、株価を指定しない「成行注文」で、株式を売却することができます。
個別企業の信用性が評価できないのなら、日経平均株価やニューヨーク・ダウといったインデックス(株価指数)と連動した運用成績を目指す「投資信託」や「上場投資信託」(ETF)に投資する手があります。
これは「インデックスファンド」と呼びますが、いろいろな“株式の詰め合わせセット”と考えればわかりやすいでしょう。
日本やアメリカなどのインデックスファンドに投資すれば、上場しているさまざまな企業の株式を少しずつ保有することができます。
企業の内実はそれぞれですが、多くの企業に分散投資することで信用リスクを担保できます。
それでは次回は、お金の置き場所としてなぜ株式がベストだと私が考えているのか、その理由を詳しく説明しましょう。