説得理由(論拠)とは、一般的な理由づけで「一般的に~の傾向がある」であり、具体的には「原理・原則」「法則性」「一般的な傾向」「常識などの理由づけ」です。

 三角形の頂点から底辺に移動するときは、「Why?(なぜ?)」「Why So?(なぜならば)」で説得ストーリーをつなぎます。たとえば、「事業のリストラが必要だ」と主張したら、「なぜならば」で根拠(説得理由と説得材料)を説明します。

 三角の底辺から頂点に移動するときは、「So What?(だからどうした?)」で説得ストーリーをつなぎます。説得材料として「赤字が慢性化している事実」、説得理由として「民間企業は赤字のたれ流しは放置できない」と説得すれば、「だからどうした?」の主張として、「事業のリストラが必要だ」と主張を明確にします。

三角ロジックは3要素と
2つのキーワードで組み立てる

 三角ロジックは、3要素(主張、論拠、データ)と論理をつなぐ2つのキーワード(Why? So What?)で成立します。では、例題で確認してみましょう。

 テーマは「オリンピック開催決定で不動産価格はどうなるか?」です。

 主張(結論)は最初でも最後でも、最初と最後の両方で話してもかまいません。主張は「オリンピックで不動産は値上がりする」とします。これだけでは説得ストーリーがありません。

 左下の説得材料(データ)として「過去の開催国の開催決定後の不動産価格の動向」を調査します。そこから共通する傾向として、「例外なく値上がりしている」という結果がわかりました。

 右下の説得理由(論拠)は、「法則性」や「一般的な傾向」を採用します。そこで「例外なく値上がりしている」を説得理由(論拠)に用います。

 仕上げに説得理由(論拠)から主張に、「So What?(だからどうした?)」として「今度のオリンピック開催決定後の日本の不動産価格は上昇する」とつなげます。