各業界で「システム障害」が頻発している。決して、ただのケアレスミスと侮ってはいけない。経営者は自らのクビが飛び、情報システム部門だけではなく会社全体の信頼を失墜させる大惨事、委託先のITコンサルやSEとは訴訟沙汰になるケースもある。一体どうしたらシステム障害をなくせるのか?実は私は「SEが要らない世界こそが理想」だと思う。その理由をお話ししよう。(リポタ株式会社代表取締役、経営コンサルタント 中野豊明)
各業界で頻発する「システムの不具合」
処方箋はあるのか?
みずほフィナンシャルグループは、連続したシステム障害の責任を取る形で、経営トップ2名が2022年4月に辞任すると発表した。三菱UFJ信託銀行でも2021年11月にシステム障害が発生し、原因は「修正プログラムの不備」だとされている。
社会に大きな影響を及ぼすシステム障害は銀行のシステムだけではなく、航空会社や鉄道会社の予約や運航システム、電子マネーの決済システムなど引きも切らない。
「システム障害」と言われるが、多くの場合、障害を起こしたのはシステムではなく、それを作ったり保守したりしている「人」の手によるものだ。
システム障害がなくなる世界は作れないものだろうか?現役コンサルとして30年間システム開発に携わってきた結論として、私は「SEが要らない世界こそ理想」だと思っている。その理由をお話ししよう。