総予測2022年#5写真提供:Eurasia Group

国際政治学者、イアン・ブレマー氏が2022年の世界情勢を展望する上で注目すべき「5大注目ポイント」について語った。ブレマー氏が社長を務めるユーラシア・グループは年初に「今年の10大リスク」を公表し注目を集める。英語版の公表は22年1月3日、日本語版は7日の予定だが、特集『総予測2022』の本稿では一足先に同氏の見通しをお届けする。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

「週刊ダイヤモンド」2021年12月25日・2022年1月1日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

リーダー国家不在「Gゼロ」の提唱者
ブレマー氏が指摘する2022年五つの注目点

 国と国とが深くつながり合うグローバリゼーションは、もはや時代遅れなのか。新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)と米中対立によって世界は、実際の往来という点でも信頼に基づく結び付きという点でも、無残なまでに分断されている。

 この分断した世界で2022年には何が起こるのだろう。リーダーとなる国家が不在の現状を「Gゼロ」と喝破し、世界を不安定にするリスクと指摘してきた米国の国際政治学者、イアン・ブレマー氏が、新年を五つのポイントから展望した。

──22年の世界では、どういった問題が予見されるでしょうか。