総予測2022#エネルギーPhoto by Ryo Horiuchi

脱炭素を実現するために、ありとあらゆる企業が環境に優しい「グリーンエネルギー」を欲しがっている。電力、ガス、石油元売りといったエネルギー企業にとって、異業種とのグリーンエネルギー争奪戦を勝ち抜くかどうかが2022年の命運を決することになりそうだ。特集『総予測2022』の本稿では、グリーンエネルギー争奪戦の行方を占う。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

「週刊ダイヤモンド」2021年12月25日・2022年1月1日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

再エネ事業のM&Aが活発化
脱炭素へグリーンエネルギー確保

 2022年のエネルギー業界では、再生可能エネルギー事業関連のM&A(企業の合併・買収)が活発化し、札束が飛び交うことになりそうだ。

 太陽光や風力などによる「グリーンエネルギー」をどれだけ確保できるか。それは、22年も電力、ガス、石油元売りといったエネルギー各社の最重要課題だ。

 というのも、菅義偉前首相が20年10月に温室効果ガスの排出を50年までに実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を宣言。エネルギー業界の顧客である、ありとあらゆる企業がグリーンエネルギーを求めるようになった。

 以降では、グリーンエネルギー争奪戦の“主戦場”と、争奪戦の行く末が及ぼす業界勢力図の激変ぶりをつまびらかにする。