衆院本会議で自民党幹事長の茂木敏充の代表質問に答弁する首相の岸田文雄。2022年、岸田政権は内外共に「全方位外交」のスタンスを取りながら、同時に結果を出すことを求められそうだ衆院本会議で自民党幹事長の茂木敏充の代表質問に答弁する首相の岸田文雄。2022年、岸田政権は内外共に「全方位外交」のスタンスを取りながら、同時に結果を出すことを求められそうだ Photo:JIJI

 2022年の政治は7月に想定されている参院選を軸に展開される。首相の岸田文雄が長期政権を担えるかどうか、全て参院選の結果に懸かっているといっていい。参院選は衆院選のように政権を選択する選挙ではないが、過去の例を見れば分かるように、「政権が倒れるきっかけになる選挙」である。岸田にとっては“中間試験”の意味を持つ。元首相の竹下登語録がある。

「参院を笑う者は参院に泣く」

 平成の時代に入って参院選の敗北によって退陣に追い込まれた首相は宇野宗佑、橋本龍太郎、安倍晋三(第1次)、菅直人と4人を数える。消費税が導入された1989年、参院選で惨敗した自民党は過半数を失い、衆参ねじれ国会が生まれた。自民党が単独過半数を取り返したのは16年の参院選。実に27年の時間を要した。この間に自民党は2度も政権を失い野党転落を経験している。

 逆に野党が政権交代の端緒をつかむには参院選での挽回が必須だ。枝野幸男から泉健太に代表が交代した立憲民主党も同じだ。最近では衆院選の翌年に参院選が巡ってきたのは2回ある。09年に旧民主党が圧勝して政権交代を実現したものの、10年参院選で菅が消費税引き上げに言及して敗北した。

 一方、12年衆院選で政権に返り咲いた安倍は13年参院選で大勝して「安倍1強」の基礎を築く。このときも旧民主党は代表が元首相の野田佳彦から海江田万里(現衆院副議長)に代わって参院選を迎えた。しかし政権を失ったショックも手伝って、態勢が整わないまま選挙戦に突入した。22年参院選はこの「安倍vs海江田」のケースに近いかもしれない。