総予測2022#中国Photo:China News Service/gettyimages

巨龍・中国の動向は新年も世界を揺るがしそうだ。特集『総予測2022』の本稿では、中国政治に詳しい朝日新聞社編集委員の峯村健司氏が、2022年の中国の注目ポイントを解説する。(聞き手・構成/ダイヤモンド編集部 杉本りうこ)

「週刊ダイヤモンド」2021年12月25日・2022年1月1日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

5年に1度の党大会に向け
あらゆる動きが収斂されていく

 2022年の中国の注目点は何といっても、下半期に予定されている中国共産党第20回全国代表大会(党大会)に尽きる。党最高指導部を決める5年に1度の党大会に向かって、あらゆる動きが収斂されていく「政治の季節」に中国は突入する。

 この党大会に向けてまず試金石となるのは、2月に開催予定の北京冬季五輪を巡る中国内外の動きである。北京冬季五輪についてバイデン米大統領は、外交ボイコットを検討していることを明らかにした(21年11月)。英国、豪州も同様の検討をしていると伝えられている。

 08年の北京五輪当時もチベット騒乱の弾圧を巡り、国際世論には中国への強い批判が起こっていた。しかし当時のブッシュ米大統領は五輪開会式に出席し、胡錦濤国家主席(当時)と会談もしている。

 この前例があり、しかも習近平国家主席は今回の五輪について「完全な形の大会にする」と発言している以上、米大統領をはじめとする海外の政治要人が五輪の際に訪中するか否かはおのずと大きな論点になる。