総予測2022#東京ガスPhoto by Ryo Horiuchi

環境に優しい再生可能エネルギーは、エネルギー業界の枠を超えて争奪戦となりそうだ。都市ガス業界の王者、東京ガスは争奪戦をどのようにして勝ち抜くのか。特集『総予測2022』の本稿では、東京ガスの内田高史社長への直撃インタビューをお届けする。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

「週刊ダイヤモンド」2021年12月25日・2022年1月1日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

顧客の屋根を借りて太陽光
「需要側」からも再エネ確保

――中期経営計画を“改定”し、再生可能エネルギーの取扱量を500万キロワットから600万キロワットへ引き上げました。その上積み分は国内の再エネで調達する方針です。どのような手段を講じますか。

 大規模な発電所だけではなく、需要家の屋根を借りて太陽光パネルを設置するなど、「需要サイド」でも再エネシフトを図ります。電源を新設する際の立地条件が厳しくなっているので、他社の電源からの調達も増やします。

――例えば、他社が保有する陸上風力発電は部分的な設備更新(リパワリング)を迎える時期が来る。こういう陸上風力発電を獲得するためにも長期売電契約(コーポレートPPA)を結ぶのですか。