レアアース(希土類)は産業のビタミンと呼ばれ、電気自動車(EV)やハイブリッド車、風力発電機などの製造に欠かせない物質だ。特集『総予測2022』の本稿では、レアメタル・レアアースの専門商社、アドバンスト・マテリアル・ジャパンの中村繁夫特別顧問が展望を語った。(聞き手・構成/ダイヤモンド編集部 杉本りうこ)
レアアース・ショック再来なら
日本は何ができるのか
米国は今、自国の安全保障において重要な戦略物資のサプライチェーン(供給網)の見直しを進めている。半導体などと並んで、戦略物資の一つに位置付けられているのがレアアースである。
レアアースは希土類と呼ばれる17種類の元素の総称。埋蔵量が少ない、または採掘が難しい非鉄金属、レアメタルの一種だ。ハイテク製品の原料として欠かせない。
いや、日本のビジネスパーソンならこんなまどろっこしい説明は不要だろう。何しろ日本は2010年、中国にレアアースの対日輸出を止められたことで相場が急騰する「レアアース・ショック」を経験しているのだから。