FXで学んだ経済が仕事にも役立った

 YSさん自身が頻繁に成功したのは、トランプ大統領時代の米ドル/円のレンジ相場だ。トランプ氏の発言などをきっかけに米ドルが一定の高値と安値の間で上下動を繰り返す様子を観察し、いわゆる「ボックス作戦」で稼いだ。

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「レンジの下限で買って上限で売る、という時間軸の短い取引を繰り返して利益を積み上げていきました」

 まずは初心者も、「為替に必要な情報を観察する」ことからはじめてほしい。YSさんが、FXでビギナーも必ず見てほしい経済指標を4つ教えてくれた。

(1)米国の雇用統計→失業率など
(2)米国FOMC(連邦公開市場委員会)→金融政策に注目
(3)GDP(国内総生産)→個人消費の先行きを見る
(4)CPI(消費者物価指数)→物価の変動を見る

 現在、YSさんはFXから米国株メインの投資に切り替えたが、今でも為替相場は観察している。

「仕事でお会いする会社経営者の方は投資にも詳しいので、FXの知識があると話が盛り上がります。世界経済を毎日見ていると知識や視野も広がり、一石二鳥です」

◎YS(わい・えす)/32歳、会社員。27歳からはじめたFXでトレードを重ね、4年後の31歳で資産1億円を達成。今は米国株投資にシフトし、年間配当収入は500万円。メルマガ「YSの投資羅針盤」を配信。ツイッターは@satton0723

(取材・文/新藤良太 編集/中島晶子)

※『AERA Money 2021秋号』から抜粋

AERA dot.より転載