ファスティングに注目

 ダイエット界のレアものに注目する強者ダイエッターもけっこういる。例えば「サッカーの長友選手がやっているMCTオイルによるファットアダプテーション」(63、神奈川県の無職女性)。「サッカーの長友選手」以外は、ほとんど意味がわからないが、『長友佑都専属シェフが考案 食べて脂肪が燃える魔法のレシピ』(加藤超也著)によれば、「ファットアダプト食事法」とは、良質な脂質を積極的にとることで「アブラでアブラを燃やす」サイクルを体につくる食事法らしい。この本はメインからデザートまで、約80レシピを紹介。来年も内食が続くなら、どうせご飯を作るんだもの。試してみたい一冊だ。

 テレワークでは、食事の時間もある程度自由が利くせいか、はたまた「食べなきゃだめだぞ」とか注意してくる昭和の上司が近くにいないせいか、ファスティング系のダイエットに注目する人も多かった。

「1日の食事を、8時間以内に終わらせる。12時と19時の2回など」(51、愛知県の会社員女性)、「月曜断食+食事の時間を16時間空ける」(42、東京都の契約社員女性)などプチ断食系のダイエットは、今回のアンケートでもっとも注目している人が多いダイエット法。

実物で人に会う日まで

 実はこれ、自分が今、応用して実践しているダイエット法のひとつ。自分の場合は、朝昼のみがっつり食べるオリジナル「ほぼ12時間断食ダイエット」だが、1回の食事ではいくらでも食べていいため、ストレスがたまらないのがメリットだ。その代わり、減量速度は3歩進んで2歩下がる、ワンツーパンチなスピード。やめ時がないので覚悟されたし。

 ほかに野菜から食べる「食べ順ダイエット」(55、岐阜県の公務員女性)や、エクササイズ系の「筋膜リリース」(43、東京都の会社員女性)など。また「低糖質」や「ローカーボ」などを続行している人もけっこういたほか、オートミールを米代わりに食べる「オートミール米化」(46、静岡県の会社員女性)を挙げた人も。

 削ったり、足したり。ワンタッチでビジュアルの加工ができるオンラインを飛び出して、実物で人と会うようになる日は、必ず来る。そのとき誰?と言われないよう、エイエイオー!

(ライター・福光恵)

AERA 2021年12月20日号

AERA dot.より転載