そう考えてしまう状況はわかります。だって、高い成果を求めて部下にはかなりのレベルの行動を求めていると思われるからです。場合によっては、「その程度で成果が出ると思っているの? 目標達成のために、もっとしっかりPDCAを回すように」と叱咤激励する毎日かもしれません。

 でも、ひとつ考えてください。ここは会社ではないのです。子どもにとって、“人間の基盤を作る最初の場所”。それが家庭です。ここはひとつ力を抜いて自然体になってもらい、普段の何気ない“できたこと”に着目してほしいのです。親の書く“できたこと”は素朴なほどいいのです。

 ところで、なぜ、親が“できたこと”を書くことによって子どもの自己肯定感が上がっていくのでしょうか。脳科学の理論によって説明していきましょう。

「親子できたことノート」でお互いの自己肯定感が上がる理由

 親ができたことを書くと、子どもの自己肯定感が上がる理由。その答えは、できたことに子どもからシールやコメントもらうと、親がとてもうれしい表情を見せるからです。親が幸せの表情をする。だから、子どもも幸せを感じるのです。

 これはミラーニューロンという脳科学でも説明できます。人間の脳には、“ミラーニューロン”という機能があります。ミラーは鏡のことですね。脳と脳が向き合ったとき、互いの脳は同じような活動をするというものです。