転職先を伝えるべき?
行き先は言わない方がいい理由

 退職の意志を告げる時に迷うのは、転職先を伝えるか否かだ。

 結論から言うと、「言わなくてもいいし、たぶん、言わない方がいい」が基本だと覚えておこう。

 そもそも、会社を辞めた後のことは辞める会社には無関係な話だ。「ご心配いただかなくて結構です。新しい勤務先は、しかるべき時にお伝えします」と言っておくといい。

 特に競合等の問題がない場合であっても、転職先を職場に告げると、転職先の会社や業界の「うわさ話」や「心配事」を言いに来るお節介な人物が登場することがある。これは、せっかく決まった転職の気分を損なうので避けたい。

 職場に残る同僚からすると、そこを逃れて別のよりよい職場に転職して行く人間は時に嫉妬の対象だ。「100%気分良くは転職されたくない」という気分が働くことがあるのだ。

有給休暇はパラダイス!?
辞める職場に気を回すのは無駄

 退職すると決まったら、速やかに仕事を引き継いで有給休暇の消化に入るのが、転職する本人にとっても職場に残る同僚にとっても良いことだ。

 一般論として、周りとモチベーションが異なる社員は同じ職場にいない方がいいし、仕事の情報管理上、辞めていく社員がいると不都合なケースもある。

 有給休暇をどのくらい消化するのがいいかはケースによるが、「ほどほどに休めて、休みぼけするほどでもない期間」は2〜3週間くらいのような気がする。あまりに長く休むと、再び働くのが億劫になる場合があるから、ほどほどにしておくのが良かろう。

 繰り返しになるが、転職の際の諸々の、最終的かつ最大の目的は、「良いコンディションで次の職場に臨むこと」にある。辞める職場に残る影響などに気を回すのは無駄だと心得よう。また有休期間中にも、仕事の参考になる書籍を読むなど、次の職場での仕事のモチベーションを上げる工夫をするといい。

 最初の転職ではそこまで余裕を持てないかもしれないが、転職の狭間に取る有休休暇の期間はなかなか気持ちのいい日々だ。

 理由は、辞めたかった職場を離れることができるし、転職できるというそこはかとない優越感・達成感があるし、次の職場についてはまだ嫌なところが見えていない期間であるからだ。

 せっかく転職を決めたのだから、貴重な日々を楽しむといい。転職する全ての人のご成功を祈る。