英字新聞とビジネスマン写真はイメージです Photo:PIXTA

コロナ禍の終息はいまだ見通せない。長引くコロナ禍がビジネスパーソンの能力開発に大きな変化をもたらすことは確実だ。オンラインセミナーの増加は、典型的である。2022年はポストコロナに向けて、新しい観点から能力開発に取り組むべきだ。そうでないと、世界の潮流から遅れてしまうだろう。本稿では、ビジネスパーソンにとって2022年の能力開発のポイントと、筆者おすすめのメディアや書籍、ミュージアムを紹介したい。(著述家 山中俊之)

ガラパゴスから抜け出すために
世界レベルの情報収集をしよう

 ビジネスパーソンのための2022年の能力開発のポイントを、三つ紹介したい。第一に、ポストコロナに向けて、日本目線の「ガラパゴス情報」から早く脱することだ。

 コロナ禍で日本人は、「世界がつながっている」「地球社会は一体である」と思い知ったのではないだろうか。20年1月、中国・武漢で発生した新型ウイルスがここまでわれわれを苦しめ、生活にもビジネスにも甚大な影響を及ぼすとは想像できなかったはずだ。

 しかし、相変わらず日本のメディアは日本目線の報道を続けている。ガラパゴス化は、メディアだけでなく、ビジネスパーソンの多くに当てはまると思う。職場の同僚や取引先と付き合い、テレビを見て、休日は自宅や近所で何となく過ごす……。意識せずにこのような日常を送っていると、ふと気づいたときには南太平洋の絶海の孤島にいるイグアナのようになっている。

 江戸時代の鎖国は、昔の話だと思うだろう。しかし実のところ、日本は今も、半ば鎖国状態にある。

 例えば、米英を中心とした世界のメディアでは大きく報道される

・移民や難民問題
・アジアやアフリカ、中南米の経済ビジネスの現状
・世界各地の少数民族問題
・LBGTQの問題

 が、日本のメディアで大きく取り上げられることは、相対的に多くない。

 新聞の国際面は2~4ページほどにすぎず、しかも日本との関係性が第一視点で書いてある。数兆円程度のM&Aは世界で頻繁に起きているが、日本企業が関わらない限り1面に大きく掲載されることは少ない。われわれはガラパゴスのイグアナなのだ。

 では、いったい何をするべきなのだろうか。