(2)踊り場期間
踊り場期間は、自分の限界や器の小ささを感じる時期です。それまで地道に努力して順調に階段を登ってきたけれど、ふと足が止まって周囲を見ると、上には上がいて、自分の能力のなさやいたらなさに打ちのめされてしまう、そんな時期です。
「自分なんて、こんなものか」「やっぱり自分はまだまだだ」と気落ちするのが踊り場期間の特徴ですが、それは傲慢にならないために必要なことだと捉えましょう。
この時期は、「何か学ばなきゃ」「情報を入れなきゃ」とやみくもに行動しがちですが、「何もしない」ことを心がけてください。
しかし、やるべきことがただ一つあります。それは、「過去を振り返ること」です。
長い階段の途中には、必ず踊り場があります。踊り場は、いったん立ち止まって振り返るところ。そして自分の昇ってきた道を上から見渡してみるところなのです。そこには、これまで得てきた財産がたっぷりあるはずです。
振り返りの一つとして、手元にある名刺を整理したり、メールボックスをさかのぼってチェックしたりして、しばらく会っていなかった人に連絡を取ってみましょう。
特に用事や目的がなくてもいいのです。近況報告や様子うかがいの連絡をもらって、うれしくない人はいません。食事やお茶などに誘って、「最近、どう?」「今、こんなことを考えていてね」と気軽におしゃべりを楽しむ時間をもつのもいいでしょう。
そこに必ず、自分自身を認められるようになる気づきや、次のステップにつながるヒントがあるはずです。そうやって過去を振り返ることで意外なつながりや発見ができるのが、踊り場期間の特徴です。
(3)扉の前にいる期間
次のステージへの扉は見えているのに、開けるタイミングがわからないので、「どうやって開ければいい?」と歯がゆくなる時期です。
たとえば、新規事業の計画があったり、新たな営業先が見つかっていたりして、次にやるべきこともわかっている。でも、一歩踏み出せない。
あるいは、転職先の目星がついていたり、人生を方向転換させる時期だと自覚できたりして、「本当にやりたいことはこれだ」とわかっているのに動き出せない。
それが「扉の前にいる期間」です。