――実際にどんなツアーが、いくらくらいなんでしょうか。

 例えばエイチ・アイ・エスグループで外国船をチャーターしたツアーで、横浜から鹿児島、那覇、石垣島、台湾を巡る22年のゴールデンウイーク9日間のツアーが、16万8000円からあります。

 もっと手頃なのでは、2泊3日で3万円台、3泊4日で4万円台のツアーもありますよ。探すのにはちょっとしたコツがいるのですが。

――そんなに手頃なクルーズもあるんですか。

 日本人はクルーズと聞くと、日本の豪華客船を思い浮かべますし、「世界一周で数百万円」といった話題になりがちです。「死ぬまでに一度はクルーズ旅行をしてみたい」なんて声もよく聞きますけど、いえいえ、そんな大げさなものではないですよ、毎年でも行けますよ、と伝えたいですね。

リストバンドを装着して
船内行動を全て把握する

――マーケットの復活に向けた課題は多いのではないでしょうか。

 まず、安心・安全への取り組みとして、乗船前のチェック体制は、ほかの乗り物に比べて厳しいです。基本的にワクチン接種が必須で、かつPCR検査を乗船1週間前と乗船日の2回、行います。

 それから船内で感染者が出たときの対応として、隔離キャビンを確保しています。あるいは乗船者全員がリストバンドを着用する船もあります。部屋の鍵にもなりますし、行動も全て把握するものです。発熱者が出たら船内行動を全て把握して、濃厚接触者を特定する仕組みです。

 あとはクルーズ再開後、感染者が出ない、もしくは出ても適切な対応をして、ツアーを無事に催行した事例が広まれば、安心感が醸成されていくのではないでしょうか。そうなるまでが大変ですし、まだまだ時間がかかるとは思いますが。

――安心・安全への取り組みはもちろん、営業面での課題も多いのでは。