横浜港に停泊したクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス号で新型コロナウイルスの集団感染が発生した影響で、ネガティブなイメージが付いてしまったクルーズ旅行。復活に向けて何が課題になるのか、クルーズ専門旅行会社、クルーズプラネットの小林敦社長に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 柳澤里佳)
2022年夏以降の予約は
コロナ禍になる前を超えている
――クルーズ旅行に関して、「リベンジ消費」だったり、「リベンジトラベル」をうかがわせるような動向は見られますか。
クルーズは、普通の旅行に比べて予約の発生が早く、今すでに2023年の予約が入ってきています。リベンジというか、20年に予約していたけれど行けなくなったお客さまは、90%以上が21年に予約を移行しました。しかし21年も結局行けなくて、同じように22年に移行しました。その割合は若干減って70~80%ぐらいです。
――リベンジ需要というか、スライド需要とでも言えばいいのか……。
スライド需要のおかげで、22年夏以降の予約は、コロナ禍になる前の同期と比べると、数字の面では超えているんです。19年12月時点で見た翌20年の8月、9月、10月の予約状況と、21年12月時点で見た翌22年の8月、9月、10月を比べると、今(後者)の方が良いんですよ。
さらに先の23年も、予約はすごく入っています。「その頃にはもうコロナも落ち着いているだろう。だったら絶対クルーズに行きたいぞ」と大変強い気持ちで待ち続けているお客さまが多いですね。
――コロナ禍の初め、横浜港に停泊したダイヤモンド・プリンセス号で集団感染が発生した影響で、「クルーズ離れ」が起きているのかと思っていたのですが……。離れるどころか、リピーターがより熱心になっている印象を受けますね。
そうなんです。ただ、リピーターだけなんですね。強い意向をお持ちなのが。
19年まで日本のクルーズ人口が増えていたのは、リピーターに加えて新しい層を取り込んでいたからです。それが今は止まっている。
――クルーズ人口を増やしていた、新しい層とは?