「脱・コンフォートゾーン」で
脳が変化に対して柔軟になる

 新しいことや環境にチャレンジするとき、メンタルの負担が増えがちだ。成果を得られるか不安を感じたり、慣れない環境に拒否反応を起こしたりすることは少なくない。一方で、人間の脳はさまざまな刺激に対応する柔軟性を持っている。

「認知に関連する脳領域には、記憶をつかさどる領域があります。その中でもとくに、短期記憶の一部であるワーキングメモリに関連する領域と長期記憶をつかさどる領域は、神経可塑性を発揮します」(『Life Kinetik(R) 脳が活性化する世界最先端の方法』より)

 神経可塑性とは、脳の神経が身体の動作や外的刺激に反応し、その入力の強さに応じて常に変化する性質のこと。神経可塑性のお陰で、脳は膨大な量の情報を正確に処理・伝達し、脳内の他の領域とネットワークを構築していく。

 この神経可塑性については、国内外の様々な研究によって、繰り返し行われる学習やトレーニングが神経のシナプス結合に影響を与え、成果に導くことを報告されている。

 コンフォートゾーンを抜け出すと、未知の情報や状況が多く待ち構えているだろう。直面する課題は困難なものかもしれないが、チャレンジを続けるのが重要だ。ワーキングメモリや海馬が機能しながら、脳は変化に柔軟に対応し、成長へと導かれる。

 こうした脳の働きは、人間はチャレンジすることで何歳になっても成長できることを物語っているようだ。この成長を得るためにも、ワンステップ上の課題を設定し、努力を続けてみてはいかがだろう。

【参考書籍】

『Life Kinetik(R) 脳が活性化する世界最先端の方法』(ホルスト・ルッツ著、ダイヤモンド社)