多くのビジネスパーソンの支持を集める、登録者60万人超えの「サラリーマンYouTuber」、サラタメさん。
注目の処女作『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン──名著300冊から導き出した人生100年時代の攻略法』は600ページ超えの超大作で、まさに“鈍器本”だ。
「仕事がデキない」「残業だらけ」「上司とソリが合わない」「転職したい」「老後のお金が不安」といった、人生100年時代を生きるサラリーマンの悩みを、まるごと解決してくれる本書から、その一部を抜粋して紹介する。

《「全員転職」時代の新常識》“転職童貞”は守るだけ損な理由Photo: Adobe Stock
〈結論〉
・転職“活動”は全サラリーマンがすべき
・“転職童貞”は市場価値が目減りしていく
・まずは「転職の軸」を検討すべし
・「業界選び」は転職の成否を大きく左右する

マモル:転職ですか~。どうにか頑張って、今の会社の仕事に慣れてきたのに転職しちゃうなんて、なんかもったいない気がするんですけど……。

サラタメ:ですよね(笑)。マモルさんの気持ち、よくわかります。ぶっちゃけ転職したほうがいいかは、人それぞれだと思いますし。

マモル:そうなんですか!? タイトルが「全員転職」時代になってますけど!?(笑)

サラタメ:正確にいうと、「全員転職“活動”時代ですね。実際に転職するかは、人それぞれの判断ですが、転職“活動”は全サラリーマンが必ずやったほうがいいと思います。

転職“活動”は全員がすべき

「転職“活動”」と「転職」は大きく異なります。

「転職“活動”」は、今いる会社よりよい条件で雇ってくれる会社を探す行為。結果的に別の会社から内定をもらい、実際に勤務先を変えるのが「転職」です。

サラタメ:「転職“活動”」は、「キャリアの健康診断」のようなもの。たとえ今の職場に大きな不満がなくても、定期的に(3~4年に1回)は検討してみるべきです。転職サイトを眺めるくらいでもいいので。

「転職“活動”」したからといって、今の会社を辞めないといけないわけではありません。

 かかる費用も交通費程度です。多少の手間と時間をかけて転職活動し、「自分のスキル・経験は、他社でも評価されるのか?」「自分が受けている待遇は適正か?」という診断ができる。これだけでも、チャレンジする価値は大きいです。

 間違いなく、今後の働き方・キャリアプランを考えるうえで役立ちます。つまり、実際に転職せず、今の会社に留まる人にとっても役に立つ、ということです。

《「全員転職」時代の新常識》“転職童貞”は守るだけ損な理由

マモル:「今の会社も悪くない」と思ってたけど、他社と比較してみないと、本当に悪くないのかわからないですもんね……。

サラタメ:転職活動してみて、今の会社の素晴らしさに気づければ、それはそれでGOODです! 一方、もし他社を見て、今より環境を改善できそうなら、これからの時代、積極的に転職しちゃったほうがいいと思います。

 本書P25で触れたとおり、これからは、会社の寿命より、私たちビジネスパーソンの寿命が長くなり、転職が当たり前の時代が来ます(というか、すでに来ています)。だからこそ、転職は一種のビジネス経験として、早めに慣れておくべきなんです。

サラタメ:同エリアで同職種を続けている、いわゆる“転職童貞”な人は、市場価値が徐々に目減りしていきます……。

 たとえば、営業職で8年続けて成果を出してきた2人がいるとします。

Aさん:食品の法人営業ひとすじ8年目
Bさん:食品の法人営業を4年経験し転職。広告の法人営業4年目

 この2人を比較したとき、営業マンとしての実力が同じくらいだったとしても、転職市場ではBさんが有利です。

 食品という有形商材と広告という無形商材、両方経験して成果を出しているBさんのほうが「営業スキルの再現性が高い」と判断されるからです。

 同職種のスキルを伸ばすにしても、多くの業界で成果を残してきた人のほうが、圧倒的に食いっぱぐれる可能性は低くなります。

「転職の軸」と「業界選び」が超重要

マモル:いざ転職活動を始めるとすれば、何から手をつければいいですか?

サラタメ:まずは「転職の軸※」を決めることですね!

マモル:どんな企業を選んで応募したほうがいいですか?

サラタメ:「企業選び」の前に「業界選び」が超重要です! 年収・ワークライフバランス・安定感すべてが「業界選び」で決まるといっても過言ではありません。その点は、P251以降で詳しく解説します!

「転職の軸」とは?
「今回の転職で実現したい最優先事項」のこと(詳細本書P220)。

内定は「ハイスコア」より「マッチング」で決まる

マモル:これといって特別なスキルもないので、とても内定までこぎつけられる気がしないんですが……。

サラタメ:大丈夫です! あくまで大事なのは「マッチング」。資格試験のように「ハイスコアを取ってやる」と意気込んで転職活動する人がいますが、逆に沈没しかねません……。

 転職活動は、企業が採用したい人物像に、どれだけマッチするかの勝負。ただひたすらハイスコアを競うゲームではありません。たとえハイスペック人材でなくても、内定が取れるノウハウをこれから解説していきます(詳細本書P304より)。

(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)

〈まとめ〉
・転職“活動”は全サラリーマンがすべき
・“転職童貞”は市場価値が目減りしていく
・まずは「転職の軸」を検討すべし
・「業界選び」は転職の成否を大きく左右する