足回りのポテンシャルは相当なもの
このクラスでベストの完成度

 走りもなかなかのレベルだった。パワートレーンは、2L直4ディーゼルターボとベルト駆動式オルタネータースターター(BAS)、そしてリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッド仕様。48Vではなく12Vだからその恩恵は控えめだが、ディーゼルとは思えないほど静かで滑らかな点は大きな魅力。パワーも力強い印象だ。7速DCTの制御は、かつてとは比べ物にならないほどスムーズになっている。

 足回りの仕上がりには大いに感心した。以前からQ5のポテンシャルは相当なものだと感じていたが、その思いがさらに高まった。引き締まっていながらもよく動くサスペンションが、フラットな走行姿勢をキープする。高速巡航は快適そのもの。タイヤの接地の仕方も理想に近く、ステアリングを介して路面がどのような状態であるかを的確に伝えてくる。このクラスでベストの完成度だった。1stエディションは路面状況に応じてダンパーの減衰力を自動調節するダンピングコントロール機能を標準装備。この効果も大きいに違いない。

 ADAS関連も充実しており、停車中に後続車が2m以内に近づくと点灯して注意を促すアラート機能を備えたマトリクスLEDリアランプの採用が新しい。

 Q5スポーツバックは、クルマとしての高い実力はもちろん、スタイリッシュな見た目が大きな魅力。このルックスが手に入るなら、ベース車比で50万円ほどの価格差も納得できるに違いない。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/小久保昭彦)

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