2021年度、熱戦の末豊島九段に勝ち、竜王・叡王に
2021年度が始まった時点で、タイトルは以下の4人が保持していた。
豊島将之(竜王・叡王)
藤井聡太(王位・棋聖)
永瀬拓矢(王座)
この4人はそのまま「四強」と呼ばれた。
藤井二冠は夏に防衛戦を戦った。棋聖戦では渡辺がリターンマッチの名乗りをあげる。王位戦では、それまで藤井に圧倒的に勝ち越していた豊島が挑んできた。いかに大天才・藤井といえども、格上の大棋士2人に挑戦され、ここは試練のときを迎えたのではないかと思われた。
しかし藤井は、棋聖戦では3勝0敗。王位戦では4勝1敗。圧倒的なスコアで防衛に成功した。
二冠を堅持した後は、挑戦者としてタイトルを増やす側に転じる。
藤井は叡王戦五番勝負で豊島叡王に挑戦。互いに先手番をキープしあって、フルセットにまでもつれこんだ後、藤井は最終戦を制す。藤井は3勝2敗で叡王位を獲得し、史上最年少19歳で三冠となった。
さらに竜王戦七番勝負でも豊島竜王に挑戦。こちらは圧巻の4連勝ストレートで豊島を降した。藤井は竜王位も得て、史上最年少19歳で四冠に。序列でも1位に躍り出た。現在、タイトル保持数はこのような状況になっている。
渡辺 明(名人・棋王・王将)
永瀬拓矢(王座)
藤井は謙虚な人柄であり、自身の数々の実績を誇るようなことはまったくない。インタビューでは常に記録に関して問われる。しかし本人は一貫して、そうした点に関してはほとんど興味がないようだ。藤井が常に追求しているのは盤上の真理だ。結果はその延長線上にある。