――筆者のジェームズ・マッキントッシュはWSJ市場担当シニアコラムニスト ***  米金融市場では、ESG(環境・社会・企業統治)に基づいて企業にスコアを付け、投資家が「穴」に落ちるのを防ぐことが、投資の潮流として最も注目されている。  スイスの金融大手クレディ・スイス・グループの株主はそのESGスコアに基づき、ガバナンス面での問題発生を予期していたかもしれないが、それには「格付け会社の選定が正しければ」という条件が付く。クレディ・スイスは格付け会社ごとに「優」「不可」「可」といった評価を受けていたため、どれかは正しいと言えるはずだ。