文章術の本質は「翻訳術」、トップライターが必ず守る三つのことPhoto:PIXTA

特集『最強の文章術』#2では、編著累計1300万部のトップライターで『取材・執筆・推敲』の著者である古賀史健氏の特別講義を、準備編・執筆編・仕上げ編の3回に分けてお届けする。執筆編では、文章を書くときに意識すべき「三つのポイント」について解説する。

文章術とは、翻訳術だ

 文章を書こうとキーボードに手を置いた途端、頭が真っ白になる。何を、どこから、どんな順番で書いていけばいいのか分からなくなる。結局1文字も書けないまま、ただ時間だけが過ぎてゆく……。

 みなさんにも心当たりがあるのではないでしょうか。文章力以前の、「書きあぐねる」という状態です。どうして手が止まってしまうのか。

 答えは簡単で、文章を「書こう」としているからです。別の言葉に言い換えるなら、「無」から「有」を生み出そうとしているからです。

 文章とは、決してゼロイチで生み出すものではありません。自分の頭の中にある思いや情報を、文章という形に「翻訳」すること。複雑に絡み合った情報を、誰にでも分かる言葉に「翻訳」していくこと。それが書くことの本質なのだと考えましょう。

 文章術とは、ひとえに「翻訳術」を指すのです。

 では、何を指針に翻訳していけばいいのでしょうか。ここでは分かりやすいポイントを三つ紹介したいと思います。

文章術の本質は「翻訳術」、トップライターが必ず守る三つのことトップライター古賀氏直伝!「文章を書くときの3つのポイント」は次ページで特別公開