男女の考え方の違いを示す話として、こんなものもある。

 ある社長さんが迎賓館として使いたいとしてペントハウスを探していた。格好の物件があり、気に入って契約直前まで行っていたが、奥さんの一言で破談になっている。その際の奥さんの言い分はこうだ。

「こんな広いところ、掃除するのは私ですから、嫌です」

離婚することになっても安心?
資産性のあるマンションを選ぶコツ

 資産性が最も効果を発揮するのは、実は離婚のときである。皆、家族で幸せ絶頂のときに家を買うが、離婚件数は婚姻件数の3分の1程度はあるものだ。離婚すると、持ち家は売却するしかない。分割できない家族の資産だし、どちらかが住むには住宅ローン+別れた側の家賃までかかることもあるので、売るしかないのだ。

 私の知る限り、世の賃貸派を主張する経済評論家は、離婚経験者ばかりだ。別れるときに価格の下がった自宅で大変苦労したのだそうだ。そんな離婚リスクがあっても、資産性があるマンションを買っておけば、いつでも簡単に売却でき、おまけに含み益が現金として戻ってくるのである。いざというときのへそくりというには莫大で、数百万円から数千万円に及ぶ。これがあれば離婚の際にお金で多大な苦労をすることはなくなるかもしれない。

 最後に私の結論を書いておこう。自宅を選ぶ際には、必ず資産性を重視しよう。住宅ローンを組んだ金額に応じて決定権を持つのも一つの手だ。ペアローンで夫と妻が2:1なら、その割合に応じてリスクを持っていることになる。「パワーカップル」という高所得の共働きがマンションを買っているといわれているが、ペアローンの割合は1~2割にすぎない。

 マンションの資産価値は立地でほぼ決まり、タワー(建物階数)や大規模(総戸数)といった数字で決まる。こと資産性に関しては、一方の言うことだけを聞くと損をしてしまいかねない。その損の多くは、もう一方がかぶることになる。もしあなたが家を選ぶ際、各種数値を比較した上で、資産性が最も高い家に住みたいのであれば、カラーセレクトやキッチンの高さ、食洗器など、相手の希望を聞いて、双方の意見をきちんと反映させたほうが身のためである。