不動産インサイダー年始座談会#4Photo:PIXTA

コロナ禍による企業の転勤中止と、大学のリモート授業移行により、壊滅状態となった単身賃貸住宅市場。サラリーマン大家の投資対象となることも多いこの単身向け住宅。特集『不動産インサイダー年始座談会』(全8回)の#4では、激変した賃貸市場の今後を予想する。(聞き手/ダイヤモンド編集部 鈴木洋子)

【座談会参加者(全宅ツイオールスターズ)】
●全宅ツイのグル @emoyino 都心の不動産を中心に扱うブローカー
●どエンド君 @mikumo_hk 専業の不動産投資家(大家さん)
●かずお君 @kazuo57 日本中の土地を老人ホームにする有活ブローカー
●あくのふどうさん @yellowsheep 渋谷の不動産ブローカー
●のらえもん @Tokyo_of_Tokyo 東京湾岸エリア専門のマンションブロガー
●はとようすけ @jounetu2sen 都内不動産営業
●なめ茸 @c___i___b マンデベモデルルーム勤務
●とっくさん@ @tokusenjouhou20 オフィスリーシングとテナント退去を阻止する管理業務に従事
●N的まにあ @n_teki_mania 恐妻家兼不動産ファンド関係者
●ヘタレ社長 @hetare808ceo 賃貸仲介と賃貸管理をほそぼそと営むヘッポコ社長

「コロナ禍の賃貸市場激変は、単身者減とリモートワーク、
それに“同棲カップル急増”が原因」

――今回は賃貸の話です。コロナで市場がかなり大きく変貌してしまったんですよね。

ヘタレ社長(ヘタレ) この前(#1『「1億円台のマンション?安くね?」不動産スッ高値でも業界は戦々恐々の裏事情【不動産インサイダー座談会(1)】』)僕が「コロナ禍でも賃貸強い」と言ってたのはファミリー向け賃貸の話。シングル向けはものすごく需要が弱くなっちゃいました。コロナ前まで都内の賃貸供給はシングル7~8に対して、ファミリーが2~3だったのが、それがこの2年で完全に逆転しましたね。

のらえもん(のら) 単身者の流入が減ってるっていうのが最大の理由でしょうね。投資用ワンルームも、投資用新築RC(鉄筋コンクリート造りの建造物)も、とにかく東京に人が集まることを前提として造ってるからね。会社に昼間行く、昼間は町に出ているっていうのが前提で、そういう物件が売れていたし借り手も付いていた。でもリモートになって家の中にいる時間が長くなると、やっぱちょっと遠くてもいいし、新築じゃなくてももうちょっと広い部屋がいい、とかなるじゃないですか。

ヘタレ そうですね。賃貸市場が変わったのは、そのリモートワークが理由のまず1点。それから「田舎から時々通勤」というスローライフに憧れてて、これをコロナで実現する人が結構増えたことが原因です。それにコロナで一人時間を寂しく感じる人が増えて、同棲が増えた、っていうのも実はあります。コロナで合コンと飲み会が減ったので出会いの場はマッチングアプリに移りましたが。

はとようすけ(はと) よーしみんなもTinderやろうぜ!僕、指紋なくなるくらいやりまくってるのに誰にも出会えないけど。

のら ……ごめん、この中で独身ははとさんだけなんでその辺の出会い系アプリ事情はみんなよく分からないんです。

はと ちょっと待ってくださいよ、なんで俺だけなの!

 でも、同棲カップルで広い部屋に住んで家賃折半、ってスタイルだとやっぱ別れたときに家賃払えなくなるじゃないんですか。そうすると別れると同時に退去って感じになるの?

ヘタレ 名義変更というのがあります。管理会社に名義変更手数料1カ月払ってくれれば、入居者が変わっても引き続き住み続けていい、って。こういうとこ非常に増えましたよね。

はと なるほど。別れても新しい相手すぐ見つければ大丈夫と。

――節操ないな(笑)あと、タワマン賃貸も増えているみたいですね。タワマンはもはや買うより借りる方がいい、てことなんですかね?今年の賃貸市場の相場、投資用の賃貸がどうなるかも聞きたいです。