クラウド利用ガイドラインの策定

 クラウド利用ガイドラインの策定では、クラウドを活用する際に必要な手順や設定を明文化したうえで、アカウント管理をCCoEに一元化した。

 ただし、やりたいことに対する実現方法は一つではない。単にガイドラインを定めても、解釈次第で統制が効かなくなることが予想された。そこで、ガイドラインに記載したセキュリティや運用管理、一部業務機能を共通サービスとして社内のクラウド利用者に提供することにした。 

 例えば、システム監視。これまではシステムごとに監視機能を設けていたが、非効率なうえメンテナンスも煩雑になる。そこで、共通の監視機能を作り、複数のサービスを一カ所で集中的に監視できるようにした。

人材育成のため研修も内製化

 人材育成では、クラウドを実務に根づかせるため、CCoEはDNPに特化した研修を内製した。こんな経験はないだろうか。外部の研修ではできたのに、会社に帰ると思うようにできない。DNPは他社と比べてセキュリティ要件が厳しい。外部の汎用的な研修では、独自の制約が拾い切れないと判断した。

「自社のセキュリティ要件に基づいてCCoEが研修を作り、講師役も務めることにしました。ガイドラインに定めたセキュリティやその重要性が自然と叩き込まれるような研修プログラムにしたため、受講後は実務ができるレベルになっています」