CCoEに唯一無二の正解はない

 CCoEに「こうあるべき」という正解はない。企業の課題や制約によってCCoEの役割は異なる。正解がないということは自由でもある。迷ったら、今の自分たちに必要なCCoEの機能は何か徹底的に議論し、小さなことでもかまわない、まずはそのアイデアを一つ形にすることだ。

 例えば、最初から完璧なガイドラインを目指して延々と目次を考えるのではなく、先にアカウント管理だけガイドラインを作成し、ユーザーからフィードバックをもらってみる。トライ&エラーを繰り返すことで、自分たちのあるべき姿が見えてくるはずだ。

「CCoEだけが頑張っても、結局会社は変わらない。成し遂げるには仲間が必要です。どんな活動をすれば仲間が増えるのか、それを考え、実行すれば自然とクラウドは広まっていきます。社外には同じようにCCoEの立ち上げに汗を流した仲間がたくさんいます。仲間に悩みを打ち明け、共有すること。さまざまなヒントとパワーが得られるはずです」

 和田の理想は、DNPがCCoEを必要としない成熟した組織になることだ。実は、取材したCCoEの多くが、CCoEがなくても自立的にクラウドを活用できる組織にすることをゴールに掲げている。クラウドがある程度浸透した次のステップでは、ユーザーの主体性を育てるCCoEリーダーが必要なのかもしれない。