収入だけが重要ではなくなってきた
「優しい世界」はいつか来るか

 ちょっとややこしい言い回しをしてしまったが、「何が幸福か」や「結婚相手に求める条件」などの種類の違ういくつかの価値観は、すべて二人三脚のようなあんばいで並んで少しずつ進んでいくので、「結婚相手に求める条件」を参考に自己を研さんすることはその時代を生きる男性にとって決して無駄ではないはずである…ということはお伝えしておきたい。

 YSKでクローズアップされているのは「相手(妻)への思いやり」であり、もうひとつ特筆すべきは、これまでの「結婚相手に求める条件」で必ず含まれていた「収入や家計に対する貢献」への言及がついに除外されたことである。

「だから稼ぎがなくても許される」とはならないし、一定程度の稼ぎは前提として期待されているのであろうが、それが重要項目として挙げられなくなったのは、それ以上に重要とされる要素が台頭してきたからにほかならない。これは、「精神性が重視される時代に突入した」「景気への不安がなくなってきた」などの解釈が可能であろう。

 そうした女性たちの願いを受けて男性は、おそらくさらに「思いやり」を深く持つ方向にシフトしていくのではあるまいか。優しい世界がより補強される素晴らしい流れである。

 そして「思いやり」を十分に達成した男性が、次の時代にどのような「結婚相手に求める条件」と向き合うことになるのか……これはまったく予想がつかないので、楽しみにしながら、気長に行く末を見守りたい。