組織の壁にぶつかった20〜30代はどうすれば?

――外部の目や多様な意見を取り入れる仕組みがあった方が組織の風通しが良くなる、ということでしょうか。

谷口 そうそう。海外の企業が、環境や人権のNGOから不買運動をされた時には、そういうNGOから役員を招いている。外からうるさく言う人をうちに入れるというのは戦略的にアリだと思いますが、そういう事例を日本ではあまり聞きません。

――それで逃げ切れちゃう人もいますもんね。

谷口 「サステイナブル」な「ディベロップメント」とか、これだけ言っているのにね。

――最後の質問ですが、20代や30代が古い組織のやり方にぶつかった場合、どうしたらよいと思われますか?

谷口 20〜30代が、おっさんやオバハンの多い古い組織の中でものを言っていくのは、本当に難しいと思います。経営層がいかにマインドセットできるか、問題意識を持てるか、からしか始まらない。

 20〜30代は、希望がないと感じたらそんな組織を捨てたったらいいと思いますよ。若ければ、まだ流動的に生きていける。コロナ禍の今は、とりあえず所属組織からもらえるもんをもらっとことか、恩義があるとかだったら、いたらいいと思うんですけれど、若い人がいないことで上の世代の目が覚めることもありますから。

 若い人は、どんどん自分で事業を起こしたほうがええんちゃうかと思いますね。

谷口真由美
1975年大阪府生まれ。法学者。大阪芸術大学客員准教授。専門は国際人権法、ジェンダー法など。「全日本おばちゃん党」を立ち上げ、テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍。2019年6月、日本ラグビーフットボール協会理事に就任。2020年1月にラグビー新リーグ法人準備室長に就任。その後新リーグ審査委員長も兼任するが、2021年2月に法人準備室長を退任。6月に協会理事、新リーグ審査委員長も退任。著書に『日本国憲法 大阪おばちゃん語訳』(文藝春秋)、『憲法ってどこにあるの?』(集英社)ほか。