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「転職? 逃げるのか?」<br />退職の引き止めに応じても、<br />幸せになるわけがない合理的な理由Photo: Adobe Stock
〈結論〉
・退職は1~2か月前に伝えるのが一般的。最悪2週間前
・まずは直属の上司に伝える。基本対面で
・退職理由はポジティブに伝える
・退職意思と日程は、断固たる決意で伝える

マモル:退職を会社に伝えるの、めちゃくちゃ緊張するんですが……。

サラタメ:初体験ですもんね。尻込みしちゃう気持ちも、めちゃくちゃわかりますが、もう退職の意思が固まっているなら、早めに伝えてあげたほうがいいですよ!

マモル:そうですよね……。明日、伝えてみます!

サラタメ:では、「いつ」「誰に」「どうやって」伝えるべきかを解説させていただきますね!

退職1~2か月前に伝えるのが一般的

 意思表示のタイミングは、退職希望日の1~2か月前が一般的です。

 部署内の人員調整や引継ぎなどを踏まえると、最低1か月程度はかかります。

 ベストは、会社の就業規則どおりにすることです。退職告知前に就業規則は必ず確認しておきましょう。

サラタメ:最悪、「退職2週間前」に伝えれば、法的にはOK※。就業規則になんと書かれていようと法的拘束力はないので、ここさえ守ればどうにかなります。
※年俸制や雇用契約に期間の定めがある場合、例外となるケースもある。就業規則を必ず確認すること。

マモル:2週間前!? けっこうギリギリでもいいんですね!?

サラタメ:あくまで「法的にはOK」というだけです。円満退職を目指すなら、可能な限り早めに伝えたほうがいいのは間違いありません。……とか偉そうに言いながら、私は伝えるのが3週間前になってしまい、超バタバタでした……。

まずは直属の上司に伝える

 何か特別な事情でもない限り、まず直属の上司に伝えるべきです。

「人事部や経営幹部は知っているのに、直属の上司が知らない」という状況は、あとあと厄介な事態を引き起こす要因になりますのでご注意ください。

ポジティブに強い意志を伝える
退職理由はポジティブに!

 これまで勤めていた会社を退職するのは、少なからずネガティブな要因があると思います。ただ、それを今さら上司や人事部に指摘するのはやめておきましょう。

 ネガティブな要因を指摘し、後輩のために改善してほしいことがたくさんあるかもしれません。ただ、それを実行するなら、転職前にやるべきであって、退職決断後にやっても意味がありません。

笑顔で強い意志を伝える

 退職の意思を伝えると、ほぼ100%、「引き止め」に遭います。

 特に、上司や人事部との面談で、退職のネガティブな要因を話してしまった人は要注意。「その要因を解決するから、考え直してほしい」と攻め込まれてしまいます。

 これが、ネガティブ要因を決して話してはいけない理由の一つでもあります。

 引き止めの際、どんな好条件を提示されても、強い意志で断ってください。

 仮に条件改善が見込まれても、その会社で今後「一度辞めようとした人」として働き続けることになり、ハッピーな未来にはなりえません。笑顔で接しながら、断固NOを突きつけるべきです。

マモル:「退職希望日をもう2か月延ばしてほしい」と言われたら、どうすればいいですか?

サラタメ:それも基本的には断固NOですね! 新しい勤務先が認めてくれる場合に限り、1か月くらいなら調整してもいいと思いますが、2か月は難しいでしょう。

マモル:でも、ボクのいた部署は元々人員不足だったから、さらに人が減ると思うと、申し訳ない気持ちがあるんですよね……。

サラタメ:私も転職の際、同じように思ったので、気持ちはよくわかります。ただ現実問題、マモルさんの退職日を後ろ倒しにしたからといって、人員不足が解消されるわけではありません。今のマモルさんができることに集中するべきです。

「転職? 逃げるのか?」<br />退職の引き止めに応じても、<br />幸せになるわけがない合理的な理由

 ブラックな職場から退職する人ほど、「自分が抜けたら、どうなっちゃうんだろ?」と不安に駆られると思います。ただ、それは個人の力ではどうにもならない問題。慢性的な人員不足を解決するのは社員ではなく、経営陣です。

 一社員が過度に責任を感じる必要はありません。退職する身としてできることは、後任のために最高の引継ぎをすること。自分の力で対応できることだけに集中しましょう。

(本原稿は、サラタメ著『真の「安定」を手に入れる シン・サラリーマン』からの抜粋です)

〈まとめ〉
・退職は1~2か月前に伝えるのが一般的。最悪2週間前
・まずは直属の上司に伝える。基本対面で
・退職理由はポジティブに伝える
・退職意思と日程は、断固たる決意で伝える