ロシアに独立承認された
親ロシア派地域の2つの「国」

 ところで、「ドネツク」「ルガンスク」とは、どういう地域なのか?

 ロシアと国境を接するウクライナ東部に位置しており、ウクライナでは、「ドネツク州」「ルガンスク州」と呼ばれている。ドネツク州の人口は約460万人、ルガンスク州は、約240万人である。

 2014年3月、ロシアが、ウクライナからクリミアを奪い、併合した。

 当時、ロシア系住民が多いドネツク州、ルガンスク州では「クリミアに続け!」という機運が高まった。

 そして、ドネツク州の親ロシア派は2014年4月、ドネツク人民共和国の建国を宣言。ドネツク州460万人のうち、半数にあたる約230万人がドネツク人民共和国内に住んでいる。

 ルガンスク州の親ロシア派も同時期に、ルガンスク人民共和国の建国宣言を行った。ルガンスク州240万人のうち、約150万人がルガンスク人民共和国内に住んでいる。

 一方のウクライナは、当然ドネツク人民共和国、ルガンスク人民共和国の独立を認めず、内戦が勃発。

 だが、2015年2月、「ミンスク2停戦合意」が成立し、以後大規模な戦闘は抑えられてきた。

 こうした中で今回、ロシアが世界で初めてドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を国家として承認したのだ。