マイホームはローンと一括購入どちらがいい?
注意点を解説

 マイホームの購入、子どもが生まれた後の家計収支を考えてみましょう。出産後、マンションを購入するか賃貸アパートに住むか迷っているようですが、試算は購入するケースで行います。

 また、団体信用生命保(団信)や住宅ローン控除等を使いながら住宅ローンを組むのか、一括購入の方が良いのか知りたいと書かれています。Mさんに関しては、マイホーム購入時点は夫の扶養に入っているので、所得税等の負担がないため住宅ローン控除を利用することができません。

 夫にしてもiDeCo(個人型確定拠出年金)を使っているので、夫が住宅ローンを組むとiDeCoの節税メリットが住宅ローン控除を受けている期間無くなる可能性があります。また、現在夫が450万円、Mさんが8000万円もの普通預金を保有していることを考えれば、金利を払ってまで住宅ローンを組むメリットはなく、一括で購入したほうが良いと思います。

 その上で、住宅ローン控除以外に注意したいポイントをお話ししましょう。夫の金融資産額を考慮すれば、購入するマンションは夫婦の共有名義(夫が住宅ローンを組むケースを含む)になる可能性があります。しかし、共有名義の不動産は将来売却する際などに面倒が発生する可能性があります。

 そのため、一括購入をする場合は、Mさんが全額資金を出して単独名義にすると良いでしょう。マンションの希望価格の記載がありませんが、諸経費込みで4000万~5000万円までであれば問題ないでしょう。

 マンションを一括で購入した場合、住居関連費用分は現在より支出が減るため毎月の貯蓄額の大幅な減少を避けることができるでしょう。ただ、その半面、固定資産税が発生することには注意が必要です。

 Mさんが夫の扶養に入ることで、家計の収入も大きく変化します。まず、Mさんの収入は月14万円ほど減ります。扶養の範囲に収まるには、月収は8万円ほどになるからです。

 さらに、夫の収入も変化します。相談文に記載されていた月27万円には住宅手当(2万7000円)が含まれています。そのため、住宅購入後の夫の収入は住宅手当を引いた24万円3000円へと減少します。つまり夫婦合計の月間収入は32万3000円になります。

 現在、Mさん一家の毎月の支出は22万8100円です。家を購入した後は、ここから家賃の8万円3000円が減額となります。固定資産税や子どもの費用等が発生しても、家賃の減額分でほぼ相殺できるでしょう。

 仮に少し足が出て、支出額が月25万円になったとしても、毎月7万円前後の貯蓄ができることになります。

 上記の他に、子どもが生まれれば、児童手当も受け取れます。たとえ毎月5万~7万円支出が増えても貯蓄が出来るということが、一括購入のメリットでしょう。