法政大法政大

 3位の法政大は志願者が約1万7千人増えた。昨年比19%の大幅増だ。広報担当者は「早くから1回の入試で複数学部の受験が可能になるなど、志願者が学内で併願しやすい方式を導入してきた。近年では女子学生の数も増え、学生の多様化も進んでいる」と手応えを口にする。

 4位は明治大の10万2045人。上位4大学までが10万人以上の志願者を集めた。以下、5位東洋大(9万8096人)、6位早稲田大(9万3843人)と続く。早大は昨年より志願者数は増えたものの、昨年の5位から順位は落とした。

 志願者数が伸び悩んだ大学もある。

日本大日本大

 7位の日本大は昨年比で8%減、7663人減った。昨年は田中英寿前理事長が脱税容疑で東京地検特捜部に逮捕されたり、元理事が背任罪で起訴されたりなどする事件が起きた。18年に起きたアメフト部の「悪質タックル」事件に続く不祥事で、それらのイメージをなかなか払拭(ふっしょく)できずにいる。

 広報課の担当者は「一連の不祥事に加え、今年は私大上位校を志願する傾向が高まったことから志願者を減らした。ただ、本学ではコロナ禍以前から学生をサポートする体制を充実させており、今後も地道に続けていくことで受験生や保護者の方々の信頼回復に努めたい」と話す。

受験料の免除は対応が分かれる

 今年、その日大以上に大きく志願者を減らしたのが10位の中央大だ。減少率は19%(約1万5千人減)で、上位20大学で最大の下げ幅となった。

 中央大の入試課によると、コロナ禍の受験生への影響などを考慮し、昨年は一般入試で同一学部の共通テストを利用したり、外部の英語検定試験を利用したりする場合の受験料を免除した。また、法学部の3教科型と4教科型を併願する場合も、いずれか一方の検定料を無料にしていた。

 今年度入試から、こうした受験料の免除をなくして有料としたことが志願者減につながったのでは、という。

 ただし、入試課の担当者は「受験料は他大学と同水準で、受験者そのものの数である実志願者数は昨年より増えている」と話している。

 受験料の免除はのべ志願者数を増やし、大学の知名度アップにもつなげられる一方、大学にとっては大きな収入源の一つを減らすことでもある。今後も、各大学で対応が分かれそうだ。

 コロナ禍の出口はまだ見えない。来年こそは、受験生が受けたい大学を自由に受け、勉強の成果をのびのび発揮できるようになっていてほしい。(河嶌太郎)

週刊朝日  2022年3月18日号

AERA dot.より転載