コンビニでは、サンドイッチよりおにぎりが人気になるかもしれない。麺類中心の飲食店より定食中心の飲食店の方が、値上げ幅は小さくて済むだろう。学校給食は、今でもパン食は少ないが、ますます原価が高くなるパン食は敬遠されるだろう。

 一般家庭でも、これだけ物価が高くなると、家計を預かる者としては少しでも節約をしたくなる。食費をできるだけ増やさないためには、物価の優等生であるコメ主体のメニューにするのが一番効果的だ。

 前述のように、うるち米の小売価格は、1月に402円/kgまで下落したが、2月になると一転、421円と19円も急上昇している。10kg換算にすると、1カ月で190円も小売価格が上がったのは、コメを使った食に人気が出てきているからだろう。この傾向は、今後ますます強くなっていくはずだ。

 もうすでに、家計のために「1食でも多くご飯食にしよう」としている家庭が増えてきているのかもしれない。ウクライナ情勢も、世界的なエネルギーや穀物の価格上昇も、そしてコロナ禍も、いつになったら落ち着くのか想像もつかない。

 そんな先行き不透明な今、「日本人の主食であるコメはやっぱり頼りになる」と感じている人は多いだろう。

 日本人のコメ離れの結果、今、コメの在庫は豊富にある。民間在庫で約300万トン、政府備蓄米として約100万トン、計400万トン以上のコメが、いつでも出荷できる状態で保管されている。主食用米の年間消費量は約700万トンなので、需要が1.5倍程度増えても問題はない。

 在庫分は、すべて玄米か精米で保管されている。しかも、年が変わったので、すべて古米になっており、値段が高騰することもない。人気が出たからといってなくなるわけでもなければ、値段が高騰することもない。慌てて買う必要はない。

 今後も、今以上に多くの食品の価格が高騰する可能性が高い。そのとき、物価の優等生のコメに助けられ、日本人で良かったと感じるかもしれない。