鉄鋼、原油、銅、小麦……。ありとあらゆる資源が、世界で高騰している。そこに追い打ちをかけるのが円安による日本の「買う力」の低下だ。特集『企業悶絶!インフレ襲来』では1月17日(月)から24日(月)までの全13回の連載で、グローバルインフレと円安の中で、日本企業がいかに呻吟しているかをレポートする。
#1 1月17日(月)配信
パナソニック、トヨタも苦悩、鋼材高より怖い「2つの金属」高騰に自動車電機メーカー悶絶
2021年は世界で鋼材高が進んだ。こちらは足元では高騰一巡しているのだが、製造業は決して胸をなで下ろすことができない。ものづくりに欠かせない金属が、価格高止まりの高原状態になりそうなのだ。
#2 1月17日(月)配信
資源高騰で企業の7割が経営に打撃でも「値上げできない」切実な理由【上場50社緊急調査】
企業間の取引価格動向を示す「企業物価」は、約40年ぶりの大幅上昇を示している。企業にとっては仕入れコストが増える状況だ。この状況に、日本の主要企業はどう向き合っているのか。ダイヤモンド編集部による独自調査で追跡した。
#3 1月18日(火)配信
日産が見放した旧カルカンが再上場断念へ、「救世主」も頭を抱えるインフレがとどめを刺した【スクープ】
資源インフレの荒波が、日本の基幹産業である自動車業界に押し寄せている。経営の岐路に立たされているのは、名門自動車部品メーカー。原料コストの上昇が採算悪化に追い打ちをかけている。悲願の「計画」も暗礁に乗り上げた。
#4 1月18日(火)配信
インフレ「採算悪化」ランキング【非製造業50社】2位はANA、ワースト1は?
じりじり進む円安に原油などの資源価格の高騰が、日本企業の原価を大きく圧迫している。その衝撃度を測るために、コロナ禍前と直近の四半期の売上高原価率を比較し、その上昇度でランキングを作成した。今回は非製造業編上位50社を公開する。上位には鉄道会社がずらりと顔をそろえた。
#5 1月19日(水)配信
大林組・清水建設…資材インフレと安値受注でゼネコン業績混迷、「震災後の再来」に戦々恐々
建設業界は今、「利益なき繁忙」に突入しようとしている。大手ゼネコンを中心に案件はあるのだが、安値受注が横行し、そこに鋼材など建設資材高が追い打ちをかけている。2022年の建設業界はどうなるのか?
#6 1月19日(水)配信
自動車7社の「コスト上昇痛手度」を分析、2位スバル、ワースト1位は?
日本の基幹産業、自動車。この業界が見舞われているのは、半導体飢饉だけではない。世界的に広がる鋼材高、部品高が、日本の自動車メーカー各社をどれだけむしばんでいるのか。メーカー別に痛手度を実額で公開する。
#7 1月20日(木)配信
東電・関電・中電が値上げで九電にまさかの「完敗」、LNGと石炭高騰で電気料金値上げラッシュ
火力発電所の燃料である石炭と液化天然ガス(LNG)の世界的な価格高騰のあおりを受け、電気料金は値上げラッシュとなっている。大手電力会社の3強のうち、東京電力エナジーパートナーと中部電力ミライズの値上げ幅は、九州電力の2倍を超えている。何が値上げ幅の差を分けたのか。
#8 1月20日(木)配信
コマツ社長「今は好機とリスクが混在している」、インフレ時代の乗り切り方
建設機械の国内最大手、コマツが製品価格を値上げした。世界的な資源高はコマツの業績にとって追い風ではあるが、そこにはリスクも潜む。何よりもコスト耐久力が総じて弱い、パートナーの中小企業(下請け企業)にとっては厳しい局面だ。コマツの小川啓之社長にこの局面の乗り切り方を直撃した。
#9 1月21日(金)配信
野口悠紀雄氏「円安は賃下げと同じ、インフレで貯金は目減り」、“安いニッポン”の末路
これまで円高は景気を冷やし、円安は景気を良くすると考えられてきた。しかし、その常識は崩れつつある。円安がインフレを高進させ、景気を悪化させることが常態になってきた。野口悠紀雄・一橋大学名誉教授に日本を衰退させる「悪い円安」について語ってもらった。
#10 1月21日(金)配信
韓国ウォンより弱い日本円、70年代に逆戻りの激烈円安がもたらす「悪いインフレ」の末路
物価上昇を加味した通貨の本当の強さを表す指標で見ると、円は1970年代前半とほぼ同じ安値水準にある。足元でもじわじわと円安が進行している。弱い円は原材料高に拍車を掛ける。輸入物価上昇は企業収益を悪化させ、企業が川下に転嫁すれば家計を圧迫する。「悪い物価上昇」が迫りつつある。
#11 1月22日(土)配信
山崎製パン、カルビー、キッコーマンに続く値上げはここだ!食材高騰に食品メーカーも苦悩
世界で進む資源高は、鋼材のような工業材料ばかりか、小麦粉や食用油など食品価格の高騰も招いている。昨年秋から相次いでいる食品の値上げは、どこまで広がるのか。次に値上げが予想される食品メーカーに迫った。
#12 1月23日(日)配信
三菱、三井、住友の財閥系化学企業に明暗!インフレ「追い風」の化学業界をトップアナリストが予測
原油価格高騰の恩恵を受け、化学業界の各社は好業績をたたき出している。日本を襲うインフレは引き続き、化学業界に追い風となりそうだが、三菱、三井、住友の財閥系で明暗が分かれるかもしれない。化学セクターのトップアナリストである山田幹也・みずほ証券シニアアナリストが大胆に予想する。
#13 1月24日(月)配信
インフレ「採算悪化」ランキング【製造業50社】2位東洋水産、ワースト1位は?
資源、エネルギー、穀物などの価格高騰は、幅広い業種のコストを増加させる。非製造業編に続いて今回は、原価率上昇度ランキング製造業編上位50社をお届けする。穀物価格の上昇で製造コストが上昇した食料品の会社が、上位を席巻した。足元の食料品価格の値上げもこうした苦境を反映したものである。
Key Visual by Noriyo Shinoda