走りはスッキリ感覚
もはや高級サルーンの完成度

 今回は富士スピードウェイ内に設定されたオンロードとオフロードコースでパフォーマンスを確認した。従来型の570と乗り比べると、その違いは想像以上だった。

 オンロードでは、走り出した瞬間から、乗り心地が洗練されたことを実感した。新型は22インチタイヤを履きながらもしなやかそのもの。従来型のゴツゴツした感覚が改良され、不快な点が何もない。

 コースインすると、さらに違いを感じる。新型は電動パワーステアリングを採用したこともあって回頭感が軽やか。旧型の重くひっかかり感がある操舵フィーリングから一挙に進化している。コーナリングも別物だった。新型は重心の高い感覚が薄れ、動きは素直で自然な印象。従来型ではライン取りが上手くいかず、どうしても出口でふくらんでしまいがちなコーナーも、新型はイメージどおりに走れた。レーンチェンジを試みても反応はリニア。それなりに揺り戻しはあるものの、安心感は高い。滑らかで軽やかな走りは、もはやオフローダーであることを感じさせない。背の高いサルーンといっていい。ランクル300とはだいぶ異質の仕上がりである。