エンジンはパワフル。新型の3.5L・V6ターボは低中速域のトルクが太く、従来の5.2L・V8よりドライバビリティに優れている。静粛性はランクル300以上に入念な対策が講じられ、一段と静かだ。従来のV8ならではの、厳かな雰囲気が薄れたのは事実だが、現状でも2.5t超級の車体を意のままに走らせる実力の持ち主である。しかもフレーム方式を踏襲しながら実現したのだから大したものだ。

あらゆる面で大きく進化した新型LX
レクサスに新たな頂点が誕生

 オフロードセクションでは、その名もオフロード・グレードを体感。オフロードは18インチタイヤと各部のブラック処理が特徴。機能面ではセンターに加え前後のデフロック機能を標準装備する。

 バンク、ローラー、階段スロープの設定されたコースで、圧倒的な走破性を体感。従来型も走破性としては相当な実力だが、新型は一段と乗りやすく快適だった。従来型で感じられた粗さをひとつひとつ丁寧に消した印象である。

 各種制御の緻密化とともに、レスポンスがよく低速トルクの強いV6エンジンと10速ATの効果に違いない。車高調整に要する時間も大幅に短くなっていた。

 持ち前の強みを活かしつつ、あらゆる面で大きく進化した新型LXは、欠点らしい欠点が見当たらない上々の仕上がりだった。従来型は“オフローダーの高級版”だったが、新型は“卓越したオフロード性能を隠し持ったラグジュアリーモデル”に変身している。レクサスに新たな頂点が誕生した。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)

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