裁量権がとても大きい
ライフプランナーの働き方
まずは、社員の日常的な働き方を紹介しよう。同社には事務系の業務を司る本社と、営業活動を行うライフプランナー(営業社員)を擁する各支社がある。それぞれ勤務体系・給与体系は異なるものの、創業時から「個」を尊重した風通しの良い働き方が実践されている。
特にライフプランナーは、「Free to Work」という標語の下で、裁量権が非常に大きい働き方をしている。たとえば、月曜日と木曜日の午前中に開催される定例ミーティングへの出席を除いて、どこで働いても、どの時間に働いても構わない。個々の担当エリアも決められていないため、自分の好きな地域の顧客に営業活動をすることができる。東京にいながらにして北海道の顧客に営業を行うことも可能だ。ライフプランナー同士で営業の協力をすることもあるが、基本的には各人が顧客と1対1で向き合う体制だ。
コロナ禍において、業界で最も早くオンライン商談が採用されたこともあり、営業の自由度はさらに高まった。女性のライフプランナーも育児と仕事を両立しやすくなったという。「現在は女性の活躍推進に本格的に取り組んでいる。女性にとって裁量権のある働き方は、男性以上に魅力的に映っている」(長谷川氏)。
一方、本社勤務の事務系社員についても、フレックスタイム制や休暇制度など、「働き方」を柔軟に選べる制度が完備されており、社員がそれを使いやすい風土づくりに努めている。
これだけ裁量権が大きい働き方の中で、人事評価はどのように行われているのだろうか。ライフプランナーの場合は透明性が高く、営業ノルマがない代わりに完全成果主義が採られ、報酬は成果に応じて支払われる。ただし業績が全てとはいえ、新規の売上増だけでなく、既存顧客がどれだけ保険契約を続けているかという「継続率」なども重視されている。
その背景には、「顧客に焦点をあわせること」という、コアバリューの考え方がある。「お客様は良い面も悪い面もきちんと評価してくれる。それを基に全ての評価が決まるべきであり、その理想が成り立っているのがC=C(貢献=報酬)という制度」(長谷川氏)
本社の事務系社員についてはそうした制度はないが、折に触れて人事制度の見直しを行い、より透明性の高い評価を心がけているという。