主な施策の1つが「コアバリューレター」だ。これは、コアバリューを体現した活動や行動をした社員に対して、互いに誉めあい、感謝を伝えるために贈り合う手紙のこと。また、「全社コアバリュー表彰」「支社コアバリュー表彰」として、特にコアバリューを体現した社員を社員が推薦し、年に一度表彰している。

「書いた方ももらったほうもモチベーションが上がる文化。今はコロナ禍で電子化されているが、昨年は年間で6500枚ものコアバリューレターがやり取りされた」(長谷川氏)。

プルデンシャル生命保険が「個とチームワーク」の両輪で働きがいを高める強み京阪第五支社のごみ拾いの様子

 もう1つは、ワールドワイドのプルデンシャルにおいて、毎年10月に全社で行われるボランティア活動だ。東日本大震災の後には、支社・本社の有志でバスをチャーターし、被災地へボランティア活動に赴いたこともある。ユニークなところでは、全社員の子どもが小学校に上がるときに会社からランドセルを贈呈し、子どもが成長してランドセルが不要になったら回収して他国の子どもたちに送るという、SDGsを重視した取り組みも。

 また、難病と戦う子どもたちの夢を叶える国際的なボランティア団体「メイク・ア・ウィッシュ」の日本支部に対してボランティアをする社員がいたり、「Prudential Emerging Visionaries(プルデンシャル・エマージング・ビジョナリーズ) ボランティア・スピリット・アワード」において、ボランティア活動に取り組む中学生・高校生を支援するなど、国際的な取り組みも行っている。

「業務とは直接関係ないが、社員の一体感を増し、仕事にも好循環を生む。家族も参加できる内容も多いので、家族に会社や同僚を知ってもらう良い機会にもなる」(長谷川氏)。

コアバリューで結び付き
創業者の命日に語り合う社員たち

 プルデンシャル生命保険では、毎年創業者の坂口氏の命日がある1月に、社員が集まって企業理念を語り合うイベントが開催される。参加は強制ではないにもかかわらず、2022年にはオンラインで全社員6500人中約5500人が参加したという。

 参加者は小グループに分かれて企業についての思いを語り合い、社員によるスピーチもある。本社も支社も関係なく、初めて会った人々も「コアバリュー」という共通言語で結び付くという企業カルチャーは、他社では見られない強力なものだ。同社の「働きがい」の源泉を垣間みるエピソードといえないだろうか。